踊る源さん 〜茶会にて〜
Lucy.M.千鶴

源さんは 踊る。

花見の席でも
酒の宴の席でも なく

茶会にて

正座から 一礼すると
すくっと 立ち上がり
おもむろに
踊り出す・・・

源さんは 踊りが 好いとらす
そっ ばってん
ばあさまな
裏千家の 由緒正しき お家柄

そのうえ 昔、
踊りの なとりだった 男に すてられとらす
そいけんで 源さんの 踊りが 好かっさん

だから、源さんは

茶会にて 踊る

あえて、 踊る

踊るは 源さんの 源(みなもと) だから


まわりのものは
ばかにして あきれ顔で
大笑い

だけども そんな 源さんを
わたしは 皆のようには 笑えない

はたして

わたしに

あそこまで 熱中できる
「なにか」が

ひとつでも
あるだろうか・・・。


自由詩 踊る源さん 〜茶会にて〜 Copyright Lucy.M.千鶴 2006-08-07 22:27:04
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