みずいろ
八布

水色は

涼しい色

眠りから覚める瞬間に

見える色

ガラスに頬を寄せた時に

感じる色

貝に耳をあてて

波の音を聴く

君の姿を見た時に

皮膚の下を流れる色


それは音であり

飲み物であり

魚の時代の記憶であり

僕たちの昔の名前であり


哀しく遠い言葉だ

みずいろ

涙よりもうすく

なんの味もしない

みずいろ


はだかのこどもの

せなかのいろ


自由詩 みずいろ Copyright 八布 2006-08-06 08:48:56
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