迷路(十九)
信天翁

    末期の梅雨がけたたましく叩きつけている
   ベランダの庇ににびいろをしたアイロニーを
            むしむしする夜のとばり
   その沈潜のなかで机により添おうとしている
          猫背は垂れているシルエット
そして なぜか 天井に映しだされようとしている
          昼間繰り広げた無聊の縮図が
        不眠の自己暗示を助長するように
        覚醒の自己嫌悪を憐憫するように

 


自由詩 迷路(十九) Copyright 信天翁 2006-07-27 11:48:44
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