ジューン・ブライド
大村 浩一

これは6月にはじまる
怒りのものがたり
無にされたひとの墓碑
降り続く雨のなかに
いつのまにか青く牙を開いた樹
物言わぬものが
そんなにも美しいか
君!


大文字で書かれたNOTE
封じられた歌
洞窟の昏い足踏み
ここまで来た私に
言えない傷口があったとは
恥じ入れ、猪武者
勇ましく死ねるだけなら!
生かしめる為になら
言葉など無にされても
別に構わない


一度は閉じかけた
doorをこじ開け
ここまで来た
ここから生きて行く
623リローデッド
馬乗り攻撃
全ての過ちが
解き明かされる朝に

勝手に自害するなよ
君の目は君のしたことを
見届けよ
ふり返って
廃都
ふり仰いで
荒野
ひたすら青く晴れてゆけ
58バイパス、


初稿    2006/07/19
改稿第2稿 2006/07/24


1945年6月23日…沖縄戦が終結した日。
司令官が部隊にただ解散を命じて自決した為、
ひめゆり部隊などの悲劇を招いた。



自由詩 ジューン・ブライド Copyright 大村 浩一 2006-07-22 22:00:09
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