ガス切れ
蒼木りん

鞄に付いた鈴を鳴らして
いそいそ
歩いてゆく人の気配を感じながら
わたしは
こんなことは後で打ち込めばいいかなと思う
そう思いながら
忘れないうちにと打っている
とても横になりたいくらいだるくて
ひと時生活の時間から逃れたいのに


ガス切れのライター

そんな状態がわたしだとすれば
どうやって充填すればいい

ずっと
曇り空


ガソリンが値上がりするから
たばこが値上がりしたから
そうなっても
生活を変えようが無いの
わかっててそんなことして
それは
みんなの責任なのかな
みんなの

ずるいことが当たり前なのには
いまだに抵抗感
子ども
産む産まないに
利害関係絡んでなんて
なんかヘンな世の中に思うの
わたしだけかな

別にわたし
みんなに羨ましがられなくていい
本当に羨ましがる人は
言葉にしないもの
嫌いな男ばかり寄ってきて
好むやつは避けてゆく
それにも
理由があるんだろうな

かわいそうなわたしだ
でも
応援してくれる人が
いないでもない
眠ったら
まだ生きてゆけそうな気もする
死ぬわけにいかないし

いないホタルを探してる
こんなに広い田んぼがあるのに
ホタルがいない
やっぱり
あれだね
いかに相手に幻を見せるかが
勝負だね
幻滅させちゃだめなんだろうね


チッ チッ チッ・・・

「チェッ、

 このライター ガス切れだ」


ポイッ



未詩・独白 ガス切れ Copyright 蒼木りん 2006-07-20 23:48:58
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