ハルシオン・ブルー
六崎杏介
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羽織る、シフォン色のカーディガンに雨
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岸壁に繋ぐロープの金具が弾け、ボートの
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華やぐ沈没を横目に、敗血症の夢が
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ハルシオン・ブルーの飴玉のストライプと
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その溶ける甘さのテンポで霧街を散歩する
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誰かの喫った煙草の目配せに誘われて
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ゆっくり、ゆっくりと薄い影から剥れて
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辿り着いた、枯れた噴水広場の隅で、私は
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灰色の空に咲く、腫れた目蓋を裂く
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ハルシオン・ブルーの太陽を待っていた
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薫る、シフォン色のカーディガンの甘い
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蜂蜜に群がる雨に溺れながら、7月の
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ハルシオン・ブルーの太陽を待っていた。
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