ハルシオン・ブルー
六崎杏介

......o………o……o………….o………..o…….o….
羽織る、シフォン色のカーディガンに雨
......o………o……o………….o………..o…….o….
岸壁に繋ぐロープの金具が弾け、ボートの
......o………o……o………….o………..o…….o….
華やぐ沈没を横目に、敗血症の夢が
......o………o……o………….o………..o…….o….
ハルシオン・ブルーの飴玉のストライプと
......o………o……o………….o………..o…….o….
その溶ける甘さのテンポで霧街を散歩する
......o………o……o………….o………..o…….o….
誰かの喫った煙草の目配せに誘われて
......o………o……o………….o………..o…….o….
ゆっくり、ゆっくりと薄い影から剥れて
......o………o……o………….o………..o…….o….
辿り着いた、枯れた噴水広場の隅で、私は
......o………o……o………….o………..o…….o….
灰色の空に咲く、腫れた目蓋を裂く
......o………o……o………….o………..o…….o….
ハルシオン・ブルーの太陽を待っていた
......o………o……o………….o………..o…….o….
薫る、シフォン色のカーディガンの甘い
......o………o……o………….o………..o…….o….
蜂蜜に群がる雨に溺れながら、7月の
......o………o……o………….o………..o…….o….
ハルシオン・ブルーの太陽を待っていた。
......o………o……o………….o………..o…….o….


自由詩 ハルシオン・ブルー Copyright 六崎杏介 2006-07-16 17:19:16
notebook Home 戻る