真夜中の夢
石瀬琳々
月の光がさしこんでいる
誰もいない部屋
片隅で
灰色猫が爪を研ぐ
テーブルの上には
開封されることのない手紙
赤い切手の消印は───
窓の外を
遠い汽笛が通り過ぎてゆく
いつか見た夢
自由詩
真夜中の夢
Copyright
石瀬琳々
2006-07-15 22:12:20