紫陽花通り
LEO

ふたり来た道
ひとり戻る道
降り出した雨に
そこから一歩も
動けなくなる

泣かないと決めたから
唇噛んで
きみの姿を巻き戻し
雨のスクリーンに何度も映す

いくつもの
色の移りを数えた年月の
紫陽花の色も
もっとも深い紫の色をして
雨に堕ちていくよ

ありがとうって
最後に残してくれたきみの声を
雨の音が消してしまうのは
また歩き出せるように、だろうか

泣かないと決めたのに
紫陽花の紫が滲んでゆく


自由詩 紫陽花通り Copyright LEO 2006-07-11 21:54:48
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