きみは二人いる
七尾きよし

まくらを抱きしめ
まぐわいのなか
きみを想うとき
ふわりと
ある種のエネルギーが
ぼくのなかで
かたちどる

妄想 
セックス
奪い取れ
のぞむままにことはすすみ
まくらの中に
ぼくの想いは
ぴゅうと消える

となりあわせに
息をして
きみの笑顔はたしかに
うつくしい
でも肉欲はわかない
なまのきみは
なまなましくないのだ

きみは二人いる
ぼくはどちらのきみに
恋してるのだろう
たしかに二人いるのだ
なまなましいのと
ただいとおしいのと


自由詩 きみは二人いる Copyright 七尾きよし 2006-07-09 00:39:29
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