そうなるはずもなく
僕の中から奪われた物の形
そうなるはずもなく
僕の中から溢れ出す物の轍
苦しそうに鳴き続ける犬コロに
自分を重ねてみてはニヤつく

時は重なり想いが沈んでいて
暗い淵に留まり水が絡みつく
胸の前で手を組んでみせても
夜店で買った泣面では騙せるはずもなく
暗闇は暗闇でしかない

ここに何かいると思わせるもの全てが
愛という名の夢
ま・ほ・ろ・ば

時に任せて思いが消えていくなら
幸せになる　そうなるはずもない
僕の中から奪われた物も
僕の中から溢れだした轍も
特別だと思っていた何もかもが
ないものだと思えることは
今ならできる

冷えていく身体に泥の着物
何時までも取れないその仮面の下は
犬コロのように鳴いているか
ニヤついているか

誰か引きちぎってみてくれ