Sketch
maumi

僕は電車では座らない
前から三両目
気に入らない発射の音楽を聞きながら
乗り込み外を見る

最後に乗るのが好きなのだ

外を見たいから
僕は電車では座らない

走り出す電車の縦長の窓は
時間もスピードも感じさせない
そんなことを考えていると
また僕はあっちの世界に行けた

紫の橋を渡る
川はアルファベットを流し
花は数字とひらがな
木々は青と2で立ち
空飛ぶ向日葵はどこまでもついてくる

観覧車は傘を逆さにつけて回ってる

ここには現実があり不実もある
落ちる雨はコスモスの花
その中で二人で行こう
汚れ無き思いのままに
君の瞳が瞳に見えてるあいだに

電車の窓が窓に変わる
いつもと同じ色も戻り
僕はいつもの目に戻る

寂しくは思わない
景色は景色で好きだからだ
 
だから僕は電車では座らない


未詩・独白 Sketch Copyright maumi 2006-07-04 22:14:42
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