止まる時間
maumi

駅を出る

左に見えるカフェDesign

カプチーノと今日買ったB級雑誌
ここでのヘッドフォンは邪道だ

聞こえるのは心地よいお皿の音と
少し大きめのコップ
油紙に包まれた店名入りの
グラニューのカタマリを入れると
小さい気泡とともに小さくなった

ってコーヒーだから見えたわけでは
ないのだけど

雑誌を半分も読んだあたりで
雨が降っていることに気付く

あぁ彼女は傘を持って出ただろうか

カプチーノもなくなり
少し濃いめのコーヒーを入れてもらい
雨粒の落ちる風景の美観と
中間色に落ち行く建物の壁
濡れていく放置されたオートバイは
物悲しそうにこちらを見てるような気がして
紙の切れ端にスケッチさせてもらった

静かに流れる時間の中で
手を伸ばせば動く時間に触れそうな
そんな感覚を覚えた頃

薄青の傘をさした君が来ていた


未詩・独白 止まる時間 Copyright maumi 2006-07-02 00:21:23
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