レイン
まどろむ海月




レイン レイン
降りやまぬ雨
はじけ したたり
集まり 流れ あふれ

激しく打ちつけたのは
霧のように絹のように
こまやかだったのは
細い肩を震わせて
柔らかに濡れて

あれはいつかの雨
あれはあの日の雨
歓びの窓を
悲しみの窓を
澄み透きとおり
つたい したたり ながれ

雫 滴 しずく
くるり くるくる
誘ってやまぬ面影

ちぢこまり ふりかえり
逆さになり 笑いかけ 涙をうかべ
身体を伸ばし しなやかに動き
くるり くるくる
雫 滴 しずく

数えきれない
粒子の鏡に揺れても
戻っては来ない
数えきれない
水晶の屈折を通過しても
帰っては来ない
記憶が痛い
それでも

レイン レイン
降りやまぬ雨
はじけ したたり
つたい 集まり 流れ
澄み透きとおり
あふれる水

水 水
あふれ流れ去る
透明な 水
水 水








   





自由詩 レイン Copyright まどろむ海月 2006-07-01 22:11:41
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