ぽえむ君−風鈴−
ぽえむ君

ぼくは詩を書きたい

あるべき姿は
あるべき所に立ってこそ
あるべき姿になる

今日もまた

朝の散歩をしていると
風鈴に出会いました

林の中に風鈴が落ちていたので
そっと持ち上げて
木の枝にかけてあげました

風のない場所なので
音は鳴らない

それでもその風鈴は
風鈴としての元来の状態に
襟を正すように
あるべき姿で誇らしげに
林の中に立ち尽くす

もとの道へ戻ろうとしたとき
微かに
チリーン
あるべき音が鳴る

風のない
暑い朝に風鈴が鳴る

風のない
ぼくの心に鳴る

明日もまた

語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−風鈴− Copyright ぽえむ君 2006-06-30 12:03:39
notebook Home 戻る