赤い季節(八)
信天翁

        火のついたこえが跳び跳ねている
             たそがれどきの小広場
   もう そこには老残が共有できる余地はない
     にびいろのひかりだけをひきずる孤高も
ひからびたかげを秘めるブロンズのペルソナさえも
              つけいるすきはない

           あらゆるものをうけいれて
           あらゆるものをはねのけて
        火のついたこえが跳び散っている
               夕餉まえの小広場
  そして いとおしい隻影だけがピエロとなって
         いま 落日にウインクしている


自由詩 赤い季節(八) Copyright 信天翁 2006-06-22 10:55:25
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