葬送
しでん

狭い路地にたくさんの人々
外は馬鹿に明るいのに
中をちょっと覗いたら
鬱蒼とした密林のように暗かった

幾つも林立している黒と 対比している明瞭な白

誰かが何処かへ運ばれていく
黒い車には白い雪が積もっていた
見送りの人々の周りには
ひどく重い空気と たばこの煙が立ち込めている

雪はその途中で振り落とされてしまった

・・・子供の泣き声が聞こえる
もしかしたら悲しいんじゃなくて
恐ろしくて 泣いているのかもしれない

そうだ! きっとそうに違いない! と
勝手に決め付けて おれはまた道を歩いていった


自由詩 葬送 Copyright しでん 2006-06-18 16:39:12
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