剥製の眼
士狼(銀)

冷凍室に閉じ込めて
そっと 耳を寄せたりはしない

腹を裂き眼球を抉り
死なない形を創り上げて
寂しさを 裏側に貼り付ける

夜中の静けさが
硝子玉した眼に暗い光を燈すと
怯えた幼児の声が
きっと 埋められた意識に響いていく

一点を
ただ一点を見つめる雉の殻を
裏庭で空に返したのは
内に隠した
悲しみに 触れてしまったからです




自由詩 剥製の眼 Copyright 士狼(銀) 2006-06-18 14:54:46
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