少年コーラ
ゆうさく

黒に染まる夜は
怖い
闇にある光は大好きで
暗闇の中に
蛍をばらまいて
自分の夢を数えている

お寺の鐘は
友達に
バイバイを言えという合図
妙に寂しくなる
そんな鐘がなる6時を
気にしながら
夏を駆け回る

カブトムシよりも
うるさくて
短い命のセミの方が好き
大好きなセミの
哀しき鳴き声を聞きながら
夏を駆け回る

夕方まで
走り回り
汗を手でぬぐう
ポケットに入れてた百円
妙に温かい

買ったコーラ
しゅわしゅわ
しゅわしゅわ
弾けるのを
じっと見つめる

待っている
いつか弾けるのを
いつかとびたつ日を

しゅわしゅわ
しゅわしゅわ
少年とコーラが
溶け合うよ

夢と溶けて
コーラは
弾けた

雲が消えて
晴れ間が広がる
また
汗をぬぐう

しゅわしゅわ
しゅわしゅわ
少年とコーラが
溶け合うよ
きらめいた手で
コーラを飲む

夢と溶けて
コーラは
弾けた

しゅわしゅわ
しゅわしゅわ
少年とコーラ、
いつか
弾ける日を
夢みている

そんな日を
待っている


自由詩 少年コーラ Copyright ゆうさく 2006-06-11 22:56:46
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