夜の鳥
杉菜 晃

 夜

 一羽の鳥が生れる

 絶え絶え灯つてゐた

 電球の切れた 丁度その辺りに

 これからは おまへにだけ見える

 明りを頼りに

 羽ばたいていくだらう



 さうやつて

 夜生れる鳥は

 どこかの空で合流し

 細い流れとなつて

 夜に溶けていくのだ

 夜の帳を切開いた

 ひとの目にはさらに深い闇の奥

 おまへたちには見える

 フェード・インへと

 入つていくのだ


自由詩 夜の鳥 Copyright 杉菜 晃 2006-06-10 16:30:05
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