嫌われなきゃいいな
山崎 風雅


 重くのしかかる空の雲は
 梅雨入り宣言を確信させる
 
 長く続く雨の中
 傘もささずに歩いてみる
 路地裏で黄色やピンク色の傘が咲いている
 小学生の下校途中
 
 梅雨も悪くないもんだ
 降り注ぐ雨が心地よい
 ツバメが低く飛び去っていく

 風景は灰色
 でも
 路地裏の家先には
 薄紫色の紫陽花が
 鮮やかに咲き誇っている

 ずぶ濡れになったけど
 心に恵の雨が注がれたようで
 なんだか勇気がわくよ

 何をしていても
 心踊る
 多分妹の赤ちゃんが
 まぶたの裏に残っているからだろうな

 一生懸命泣いている
 一生懸命乳を飲む
 一生懸命生きている

 名前も決まった
 これからの人生に幸あれ
 おんぶに抱っこ
 絵本を読んであげたいな
 バトミントンも教えてあげたいな

 くさいおじさんと嫌われなきゃいいな




自由詩 嫌われなきゃいいな Copyright 山崎 風雅 2006-06-09 15:59:03
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