雨錆
士狼(銀)



梅雨入りの雨に打たれながら
掠れた音しか生まない喉で
ひとつ、
溜息を落としてみた
折畳み傘の骨が
海月みたく歪んで、溶けて
僅かばかりの猫背に
充分な質量を含んだまま
重く冷たく圧し掛かってくる
一切の干渉を許さない、
直線的な雨の
トタンを叩き、蛙を叱る
その力強さが疎ましかった
きっと、
一雫でも舐めとったならば
鉄の味がするんだろうと
その確信染みたような感慨は
一体、


自由詩 雨錆 Copyright 士狼(銀) 2006-06-08 22:59:00
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