次の刹那くらい
ブルース瀬戸内
ある世紀の100年に起こることは
前の世紀の最後の10年に凝縮されているそうです。
ということは
ある10年に起こることは
その前の1年に凝縮されているのかもしれませんし、
ある1年に起こることは
その前の1.2ヶ月に
ある1ヶ月に起こることは
その前の約3日に
ある1日に起こることは
その前の2.4時間に
ある1時間に起こることは
その前の6分に
ある1分に起こることは
その前の6秒に
ある1秒に起こることは
その前の0.1秒に
凝縮されているという無茶な理屈を立てれば
この刹那が、この0.1秒が
ゆくゆくは次の100年すら決定してしまうことになります。
あるいは永遠だって
そこに凝縮されているのかもしれません。
来たるべく次の0.1秒くらい
価値も美意識も臨界点まで高めて
堂々と迎えることで
未来の未来を少し引っかくことができるのは
決して悪いことではありません。
刹那から切り拓いた永遠だからこそ
そこに儚さが香るのかもしれません。
時間が、
権威化した刹那をものともせずに過ぎていきます