次の刹那くらい
ブルース瀬戸内

ある世紀の100年に起こることは

前の世紀の最後の10年に凝縮されているそうです。


ということは


ある10年に起こることは

その前の1年に凝縮されているのかもしれませんし、


ある1年に起こることは

その前の1.2ヶ月に


ある1ヶ月に起こることは

その前の約3日に


ある1日に起こることは

その前の2.4時間に


ある1時間に起こることは

その前の6分に


ある1分に起こることは

その前の6秒に


ある1秒に起こることは

その前の0.1秒に


凝縮されているという無茶な理屈を立てれば

この刹那が、この0.1秒が

ゆくゆくは次の100年すら決定してしまうことになります。

あるいは永遠だって

そこに凝縮されているのかもしれません。


来たるべく次の0.1秒くらい

価値も美意識も臨界点まで高めて

堂々と迎えることで

未来の未来を少し引っかくことができるのは

決して悪いことではありません。


刹那から切り拓いた永遠だからこそ

そこに儚さが香るのかもしれません。


時間が、
権威化した刹那をものともせずに過ぎていきます


自由詩 次の刹那くらい Copyright ブルース瀬戸内 2006-06-08 01:59:15
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