暗い人をみたら
ZUZU

暗い人をみたら
いつも尊敬しなさい。
父さんはいつもそう言っていた。
南の島へライオンを助けにいったきり、
かえってこなかった父さん。

明るい人がぼくは好きだ。
明るい人はなんてすてきなんだろう。
なんてすなおなんだろう。
でも、暗い人をみたら、
ぼくはいつも尊敬するのだ、
だって、なにか、とうといものをつくるとするならば、
それは暗い人だ。
暗い人が、世の中を、底のほうから、
はじめて照らし出すのだ。

父さんが手紙をくれた。
お前はお前じしんの明るさを愛しなさい。
とうとびなさい。
そして暗い人をみたら、
ただちに尊敬しなさい。

もちろん、そうするよ。
そしていつか、南の島へいくんだ。
ぼくの翼で父さんとライオンを助けにいくよ。










自由詩 暗い人をみたら Copyright ZUZU 2006-06-07 18:25:50縦
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