プレーンオムレツ
海月

僕と君のみらいは混ざり合って一つとなる
菜箸さいばしを使い縦に混ぜ合わせる

熱したフライパンの上
乾き枯れた都会に似ていた
そこで出会った
水を持っている先住民族
それが君だった

一つになった卵を中心に落とす
過去の出来事は焦がれて消えた
全てを焼かずに残しておくこと
それがこの料理の基本

半分に折りたためば出来上がる
やさしさを纏った色

ナイフを入れれば半熟に出来ているから零れる
君の中に僕が入って溶け込んだ
抜け出した脱力感に似ていた

冷たくなったプレーンオムレツを
猫舌の僕が食べる

その光景を暖かいプレーンオムレツを
君が食べている

未来は同時には進まない
少しずつだけど共感温度は冷めていく
二人が冷蔵庫に入れられたら
その先に未来はない






自由詩 プレーンオムレツ Copyright 海月 2006-06-07 01:22:50
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