一人の女
奥津 強

私が 死ねば
一人 女が 立ち上がる
生命の 母胎であり
私が 笑えば
矛盾の 果実の 拙さよ
ちょうど 夕ご飯の
時間が 迫っている
その 母胎を 食すべきか

否か
私の 悲鳴を 聞いたか ジム・モリソンよ
私の 一人の 女が 立ち上がる
生きてまで 母胎は
合掌をしているので
私は 孤独だ

無地の 臭いに
私は 一度 滅した
声が 聞こえる
捨てて 捨てて 捨てて
私を捨てよ
酒瓶の中に 入れ
かき混ぜよ



自由詩 一人の女 Copyright 奥津 強 2006-06-06 13:05:26
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