孤独の森で
AKiHiCo

人々から罵倒されても
何度でも立ち上がれる勇気を
この心に投与して

気付けばいつも独りきりで
少し離れた場所から
数人が囁き嘲笑している
僕が醜いから

蒼穹もいつの日か堕ちてくる
太陽が橙に染めた雲の流れを辿り
気持ちを紛らわせるけれど
この眼に入ってくる悲しい視線
線が無数に交差してやがて一つに繋がる
僕へと投げ付けられる暴言となって

森へ一歩踏み入れれば
抜け出す路は探せないまま
この眼で未来を探すのだけれど
何も見当たらなくて
ここは真っ暗混沌で満ちた凍った心
脚に絡みつく蔦もやがて振り払えなくなる
雑草で妨害された明日は虚しく

生きる事は虚しく
何の為に生きているのか
答えのない問いを延々に続けながら
現実から切り離した眼で
楽園を探しては見るけれど
前方は真っ暗混沌で
妄想の世界にさえ居場所を見出せずに

誰から蔑まれ貶められても
傷付き痛まないように
麻酔を心に投与して

抜け出せない心の森の中
ずっと僕は独りきり
また誰かが僕に罵声を浴びせる
もう慣れたはずなのに
どうして心は軋むのだろう
深い深い森の中


自由詩 孤独の森で Copyright AKiHiCo 2006-06-05 04:11:46
notebook Home 戻る