卵の憂鬱Ⅱ
唯浮
卵が割れてまた割れて
中途半端がどろりどろぉり
二進も三進もいかない生
ハウスダストやカビたちに
あらゆる雑菌病原菌
もういいから寄生しなさい
変色するほど侵食していい
巣から蹴落としたから
親鳥の羽は疲れてしわしわ
籠の内と外との行き来
見えない空に疲れた寝床
からからに乾いた殻
ぽつねんと転がるがまま
丸まった時間の反復横跳び
陰影の薄い能面
誰かが踏み潰すまで
未練がましい粘着音
王子様を待っている
足跡を付けてくれるような
自由詩
卵の憂鬱Ⅱ
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唯浮
2006-05-27 23:36:49
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