生活
海月

小雨が舞う六月
痛みに似た感情
空に開いた穴

150円で買った
ペットボトルの烏龍茶
茶色液体は僕の体の中で
生命を繋ぐ糧になる

都会の風は煙幕
焚き火の煙に似る
咳きは鳴り止まない

未来永劫
変わることない
人生論理
変わらない生活

左も右も解らなくなり
漢字も平仮名も片仮名も読めなくなって
感情もなくって
思い出もきえて
そんな老人になった時

僕は今日を生きれるでしょうか
短い命を扱えるでしょうか
垂れ流しにすることが出来るでしょうか
僕は今と同じ風に暮らせるでしょうか

そんな夢を見てきた気がする
今となっては懐かしいだけ
余命を宣告から一年半ば
僕は未だに生きている

呼吸は忘れない
自転車に乗れるのと同じ
一度したことは忘れない

それでも、短い生活じんせいを終えようとしている


自由詩 生活 Copyright 海月 2006-05-27 11:28:13
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