いにしえ
山崎 風雅

 太陽の日差しが
 風に乗って運ばれる雲に
 遮られるように
 この気持ちも
 貴方には届かないんだね

 宇治川に浮かぶ中之島
 風はまだ冷たく頬を撫でる
 二人で寿司詰めをほおばって
 今年の夏に加速していこう

 太古平安貴族が愛した雅
 愛おしさと哀しみが
 時代を超えて時の壁を越えて
 今ここによみがえらんとする

 その息吹を感じ
 人肌の温もりを待ちわび
 浮船は宇治川にその身を投じた
 清く力強い流れに身をまかせた

 そう遠くない未来
 こんな男もいたんだと
 見つけてくれる人がいるだろうか


 梅雨に突入する直前に
 貴方に近づきたくて
 煙を吐いて走り去る

  
   いにしえの浪漫を求め白昼夢
     
       心豊かな時代に浮かぶ







自由詩 いにしえ Copyright 山崎 風雅 2006-05-26 15:54:32
notebook Home 戻る