ディオニソスの宴 ★
atsuchan69


雨あがりの 虹 ユメの様につづく 昼さなか
なだらかな坂道を ものがなしい 暗い絵を えがいて
ころがる 酒樽。意味を 多重に含ませながら
メタモルフォーゼ し(詩)、よろこびとともに 現はれる
濡れた紫陽花 葉の上に かたつむり。

世俗へと 砕け ほとばしり、恋する 成りゆきの カラダ。
豊満な乳房 ゆれる 揺れる ブランコ 影も また
ゆれる 雑踏 にぎわう街の 裏通り すえた匂い
不潔な記号 さげすまれた 愛は びっこをひき、
せむしの遊女たち 女装の男たち
つかの間の 愛、許されぬ 愛たち すべての 愛に
薔薇の花びら 散らす 笑み 爛漫な 瞳 眩しく
花弁を いっぱいに溜めた 籠には、春の日ざし
おおらかな空気 許しとキス 自由の歌を 解き放ち、
のろいを 熔かす 秘密の ことば 口から くちへ。

野に咲く 意味もなく 忘れられた 花 咲くこともしらない
草や 無言の木々 沼の浮草 岩肌の苔 種から芽吹いた さかんな衝動、
これら 大地の精を 絶やしては いけない。
と、彼は言った。

ことばを 思いつくままに 歌い
剥きだしの 欲望 そのままに
踊る 彼につづくのは さげすまれた 愛
せむしの遊女たち うつくしく 哀れな
女装の男たち つかの間の 愛、許されぬ 愛たち
罪深き 遊女らとともに、歌い 踊り、
まるで 疲れることを知らぬ 幼子のように。

雲は水に 滲む インクの文字さながら、
蒼く ため息を 漏らして たなびく空に
ただ一度 あはあ。と、あえぎ 声を のこした。
やがて 詩人たちの参列 つづく大群衆 おびただしい 歌と踊り、
昼も 夜もなく 繰りひろげられる 性愛の乱。

武器をもたぬ Revolution カオスの氾濫は、ついに堰を切り、
もはや 諸国の王たちは 逃げだすほかに 術はなかった。


自由詩 ディオニソスの宴 ★ Copyright atsuchan69 2006-05-25 11:05:20
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