エンジェル・エコー
モーヌ。




月 星 を 必要と しないよ

陽光を 恋さない つれない 夜

あたりが 眠りの なかに あった 夜 に

茫洋な 空路から たましいの まなこたち が

目ざめを 見開いて 赤赤と 焦げ 落ちて

風と 歩む しかない 歩並を また 踏み かえし

はじめられた ほのうに 灼けて は 落ち

ほのかな 星屑の 騎行と 伴に 流れて...





幾筋もの 流れに それでも 星は 生まれた

こぼれて ゆく ありふれ ながら ありふれて いない

星の モノな 独白を ゆくに まかせて

頬の スクリーン 髪の スクリーン 無機物の スクリーン

透析 された ところ どころへ 投影を

こぼれて いった ところ どころへ 捜索を

生命を ふしぎに 波うつ ナンセンスな 砂丘や 稜を

とどろく 飛沫に 読み ほどいて ゆく 花冠の ことばたちが

もぐように 語り 荒れるように 謡い

こもった 空に ふりまかれ

航空といい 空間といい 足跡を 消し ながら

点点と それは 伸び ながら...

打ち あがった 青の カウベルを 鳴らして いった

( ...ここは 地図にない 地図の地... 風街何番地 ? )





さかまいて ゆく 風紋の メタモルフォーズ を

いつまでも 見つめて いると

聖域サンクチュアリを 渡る 小さな獣たちが 灼けて いた

母は 子を 見 子は 母だけを 見て いる

野を ゆき 川を 渡り 月を 越え 海を 渡って

まっすぐに 信頼を 孤木が そうある ふうに 立って いた

父は どこか ? 父は... 見えない けれど その 道ゆき

...辺りに 満ちて いっしょに

見つめられた 先に そっと...

そうして 繋がり 溶け ながら あふれて 灼けて いった

かたくな だった 夜の 横顔に

ぼくらが 謡った 晴れやかな たましいやら

花冠の 赤く そまった ちぎれた ことばたちの うえに







自由詩 エンジェル・エコー Copyright モーヌ。 2006-05-22 11:17:59
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