「 いとしさ 」
椎名
首筋にそっと手をやり
髪をかきあげる
自分で自分を愛でるように
この街を
この地球を
そんなふうに愛していたい
多すぎる車も
せわしない人並みも
みんなみんな愛しい
枯れた木々も
冷たい風も
灰色の雲も
みんなみんな愛しい
そんな気持ちをもてるように
育ててくれたおかあさん
ありがとう
そして
こんな私を受け入れ
生かしてくれる
地球にも
ありがとう
この与えられた命を
大切に
誰かに喜んでもらえるような
そんな生き方ができたらと
ふと
思ってしまった
夕暮れの空を見つめながら
いま
みょうに自分がいとおしい