ひとつの白昼
A道化





ほら
徐々に白昼は
朗らかな華やかな他人となり
朗らかに、華やかに
高くなり
遠くなり


ずっと
最適な肌へ
熱を当てそこない続ける私の体の
どうしようもなく密かな火事を
すべて知っている色で

枝から溢れるツツジは
朱いまま切れ落ち
甘いままアスファルトに
蜜を伏せた


ああ、
私が、
白昼を仰いであげる、


ほら、私達の知らぬ季節が始まる
常に少しだけ新し過ぎる、あらかじめ知りえぬ季節が始まる
けれどあなたの分も私が、高い、遠い、白昼を仰いであげる
体の、どうしようもなく密かな火事を悦んで隠し持ち
高い、遠い、白昼を
ひとつ


2006.5.18


自由詩 ひとつの白昼 Copyright A道化 2006-05-18 10:42:15
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