(´・ω・`)
たもつ



発車ベルが鳴ると
髪の毛が風に笑ったね
誤算だったね
脚の長い女の子の
脚が長くてきれいだったね
「栞」を「おしり」と読んで
男の子がはしゃいでいたね
それはきっと僕だったね
港のガントリークレーンがキリンのようだったね
二機並んでいたね
先月動物公園で見たキリンは
花の側をゆっくり歩いていたね
メキシコに行きたい、と言っていたね
けれど行かなかったね
パスポートは優しく失効していたね
僕たちの言葉の中で
誤算だったね
センドウでは刺身が二十%オフだったね
天然物だったね
食べて何の問題もなかったけれど
テレビでは刑事役の男が射殺されていたね
地面に落ちて動いているアリを数えた
水不足の夏が昔あったね
本当は他のものも不足していたんだろうね
発車ベルが鳴り終わって
ドアが閉まると
髪の毛はもう風に笑わなかったね
誤算だったね
と言って何をごまかしてたんだろうね
右利きの君が左手で手を振ったね
発達した高気圧で
明日もきっと晴れるんだろうね
何の救いようもないくらいに





自由詩 (´・ω・`) Copyright たもつ 2006-05-17 12:28:26
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