モノクロームの世界
AKiHiCo
窓際で外を眺める四角い風景
透明な硝子が心を縛り付ける
ここにはいたくない
そう思うのだけど
どうして僕はここにいるのだろう
寡黙に歩く黒衣の参列
白い花に飾られた柩は中心に
誰ひとり涙を流さず
無口に歩いてゆく道程は
死者の悲しい生き様なのだろうか
柩の中で行く先を知らされずに
眠り続ける彷徨える魂
白に身を包んだ抜殻
誰も覚えていないその白の過去は
窓から見える悲しい景色は
いつもモノクロームで
この硝子さえなければきっと
世界はあらゆる色で彩られる
腕を伸ばせば届く
あの空の底さえも容易く
ここは酷く寂しい処
人々の憎しみと悲しみだけが
飛び交う醜い処
僕はそこから動けないでいる
誰もこの体を束縛していないというのに