空病み
ソマリ

この部屋の外を知らずに咲く花へ異国の水を注ぐ夕刻


蝶の背に針を刺すのを嫌がれば夜の間に逃げてしまうよ


不安だけ夢の中から持ち帰る見開いた目に焦げる黄昏


触れられるために生まれた楽器たち無人の部屋で狂い始める


カーテンで防ぎきれない光なら暴かれるまま晒されるまま


君が手を空へ伸ばした病室がアクアリウムになる水没日






短歌 空病み Copyright ソマリ 2006-05-13 20:11:16
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