三華遠季節 Ⅶ
木立 悟




土の光
空の影
獣のかたち
砂の雲
ゆるい風が作る蝶
水鳥のような
雨をゆく



すべてを乱し
飛びたつもの
湿気の輪と渦
金に現れる赤
刻まれ 燃えあがる
山と水と時の赤



ひかり涸らすひかりと
空を吐く空の群れ
雲の間の暗さはあふれ
野のけだものは午後を駆けぬけ
遠い水 遠い冷たさ
遠い季節は回りつづける










自由詩 三華遠季節 Ⅶ Copyright 木立 悟 2006-05-10 16:24:22
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三華遠季節