夕日
山崎 風雅

 今日も枕元で目覚ましが興奮してる
 
 やれやれ 起きるから

 重い身体と靄のかかった頭
 冷えた珈琲を流し込み
 身支度整え
 8人の敵のいる
 扉の向こうへダイビング

 息を殺すラッシュアワー
 殺人的な光景から目を背けて
 心に潜む欲望を圧縮

 工場のサイレンが
 狂人の叫びに聞こえる

 レールから外れないように
 慎重にこの道を進む

 いつまで続くか
 絶望のリズム
 
 休憩時間
 からからの喉に
 コーラをいっき飲み

 嘘だらけの会話は
 はずむ筈なく
 虚しさは光りの速さで
 胸を蝕む

 どんどん哲学が好きになる
 働くことのいい訳を探すため

 汚れてドロドロの手
 渇いた目で夕日を眺める





自由詩 夕日 Copyright 山崎 風雅 2006-05-10 15:26:19
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