無音の絵本の話
夕凪ここあ

「だから開いちゃダメなのに」

もうそこに何が描いてあったかわからない

なにか、素敵なものだった気がする

夜がすっかり落ち着いた頃

誰にも見られないように ひっそりと

絵も文字も家から抜け出して

もう戻っては来ないことを知らされた

おはようの午後、

閉じられて終まった。


自由詩 無音の絵本の話 Copyright 夕凪ここあ 2006-05-05 23:28:56
notebook Home 戻る