ふうりん
香澄 海

ダンスに浮かれて
青い悲しみを散らそう

輝く風に身をまかせて
凍える心を暖めよう

君が言った「限りなく闇に近い箱」を
見つけたときには
君の汗のにおいと
閉めきったカーテンだけが残っていた

君が一人で去ってしまったので
僕は窓を開けたよ

君のにおいも 君の寂しさも
吹き飛んでしまうくらい
あっけらかんとした風が
吹き込んできた

窓辺に置かれた糸の切れた風鈴が
君の器用な指先で吊される日を待っている

ひとりぼっちで どこかを歩いている君
かじかんだ心に 真夏の太陽が照りつける
今でも 君は 苦いコーヒーが好きなのか


自由詩 ふうりん Copyright 香澄 海 2004-02-12 21:37:14
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