追憶
Tommy

透明なビー玉はころがっていって
冷蔵庫の下からほこりまみれで帰ってきた
それを見ていたから
僕は大会で優勝できたのだ

ずっといい子にしていて
サンタさんが大きなお人形を贈ってくれた
それを抱いて寝たから
僕はあのひとに認められたのだ

君の話を聞いていて
つらいむかしの話になった
それに涙を流したから
僕は一躍有名になったのだ

出会ったものはすべて
頭の少し上のところで
小さな明るい雲になり
きまぐれに
豊潤なものを降らす

それが信じられないのなら
ビー玉も お人形も 友達も
君が成功を組み立てるのに使わないと思うものは
みんな消してしまうがいい
しかし からからの世界で
君がひからびそうになったとき
頭の上から降ってくるものに
きっと気づくことだろう


自由詩 追憶 Copyright Tommy 2006-05-03 12:08:56
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