追憶
Tommy
透明なビー玉はころがっていって
冷蔵庫の下からほこりまみれで帰ってきた
それを見ていたから
僕は大会で優勝できたのだ
ずっといい子にしていて
サンタさんが大きなお人形を贈ってくれた
それを抱いて寝たから
僕はあのひとに認められたのだ
君の話を聞いていて
つらいむかしの話になった
それに涙を流したから
僕は一躍有名になったのだ
出会ったものはすべて
頭の少し上のところで
小さな明るい雲になり
きまぐれに
豊潤なものを降らす
それが信じられないのなら
ビー玉も お人形も 友達も
君が成功を組み立てるのに使わないと思うものは
みんな消してしまうがいい
しかし からからの世界で
君がひからびそうになったとき
頭の上から降ってくるものに
きっと気づくことだろう