にんまり
山崎 風雅

 
 ガリガリガリ
 
 潤滑油の切れた
 頭の回路
 親友さえも
 疑ってしまうほどの
 罪な波長を出してしまう

 一人の夜の散歩
 孤独の月が僕を
 照らしてくれる

 見上げた空に
 雲のはざまで
 にっこり笑みを
 浮かべる満月
 思わず手を合わせて
 拝んでしまった

 星はまばらで
 きれいな星を
 数えていると
 何もかも忘れて
 夢中になった

 慰めの夜

 謎に覆い尽くされた世界
 大量のカフェインのような
 刺激が
 この旅の行く手をさえぎり
 心の扉に鍵をかけさせる

 トントントン

 扉を叩く音がした

 ああ
 あの人が訪れてくれたんだ

 にんまり




自由詩 にんまり Copyright 山崎 風雅 2006-04-28 00:30:35
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