水中花
はな 

光のくずは 
朝のなかをかがやく
屋根にならぶ
しずくの




雨の音は
あたたかな蒸気と きみを はこぶ
まどぎわにあそぶ
まだ 新しいひとみで
洗われてゆく 世界をみつめて


水っぽい日差しの中で
きみの
ながいてあしが
およぐように ばたつく
目を伏せていた、
いつも
手をつなぐにも
とても静かだった
それでも溢れるように
日々が
生まれた


わたしには からだが
きみには道が
どんなにこわされても また
円を描いては
与えられる



雨のおとで 目覚めるあさ
うす雲を織るように
まだ 暗い部屋
「おはよう」と言うと
今日から禁煙する

花を手折るように
あわい光を 
ひだり手で 揉み消した




自由詩 水中花 Copyright はな  2006-04-27 20:25:42
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