君に
水在らあらあ

君に


 君の心と僕の言葉が反対を向いてどうしようもない時は
 僕のことをへちまのちんちくりんと見なして
 うっちゃってくれればいいよ

 僕は少し酢とかにんにくとか
 鼠の尻尾とかラヴェンダーとか思い出だとかさ
 そんなことにやられているだけだから

 油の浮いた港の水に
 漂う鰡の腹の白さに

 火で焙ったタアルの匂いに
 神をけなす言葉に


 ローズマリーに
 錆びた釘に
 レモングラスに
 薔薇の棘に

 
 鳴り止まない賛美歌のなかで
 命をほったらかして
 駄々こねているだけだから

 呪われたふりをして

 美しい
 この日の日差しのなかで

 死にきれない死を死んでいるだけだから


 でもね
 
 それはね
 
 どうしてかって
 
 いうとね

 
 こわいから

 君が
 こわいから

 君っていう奇跡が
 こわいから

 君が
 君っていう僕にとっての夢が
 終を意味するからさ

 僕の夢である君と
 僕という君の現実の
 
 終を






自由詩 君に Copyright 水在らあらあ 2006-04-22 02:33:10
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