封印
たりぽん(大理 奔)
沈んだまま明日のこない
深海に揺れる一群れの
長い、深い闇
地縛された肉体の
閉じる奥の扉
なにかのなまえで封じられ
こたえを閉じこめた
そのむこう
舞い散るものに、サヨナラをいわない
それは、去っていくものではないから
堆積し入れ替わって石化する肌
朱黒い縛印を
月に透かしても明日へは届かない
から、ではない
それらは 生まれていくものたち
だから、だ
鉄板の角で切れた中指から
したたる血が止まらない
呪われている
呪われている
僕らは葡萄に呪われている
そこが胸
だったのか
そこが額
だったのか
もう
海藻には
関係がなくて
ただ
ただ
潮のゆらぎにあわせて
昨日ではない
明日でもない方向へ
地縛された封印
、がゆれる
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葡萄白書