メランコリッタ
ミネ

メランコリッタ
きみの口笛が
さびしく水平線に難破しているのが聞こえる
情熱はいずれ消える火なのだね
メランコリッタ
うなじにまかれた針金
それをといてあげられるのは誰
怒りも苦しみも敵じゃない
過ちと悔いも君の敵じゃないのに
メランコリッタ
ここは痛いね
鋭く氷河がつきささるのだね
夏のように澄み渡るものが
どうしてこんなに朽ちいるのか
きみは考えているのだろう
メランコリッタ
それはきみの家族
それはきみのアルカイダ
それはきみの南京錠
それはきみの音楽
それはきみの子宮
それはきみの螺旋階段
メランコリッタ
それはきみの予言
それはきみのプロゼロニン
それはきみのくすの木通り
それはきみの室
それはきみの海原
それはきみの言葉と肉体のなか

メランコリッタ
夕暮れには幾つものきみの血が
あんなにも美しく
そらを染める


自由詩 メランコリッタ Copyright ミネ 2006-04-19 21:29:01
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