五月
うめバア

五月

木々の葉は一様に緑なのではなく
光を透かしている組織の集合体
根元から吸い込んだ水分が
先端まで流れ
蒸発という形で、外部へ溢れ出す

風薫る季節
ようやく長袖を脱ぎ捨てた素肌を
撫でて通る風は
以前から、こんなに優しく
あまやかだったでしょうか?

風に揺れる若い枝の葉は
今年、初めてこの世界に表れたことを
喜び、驚愕する

その景色、その音、その世界
見るもの全てが、光を浴びて
切ないほどに、悲しいほどに
少々、美しすぎるのは
果たして今年だけでしょうか?




自由詩 五月 Copyright うめバア 2006-04-17 19:26:16
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