ショーケース
エラ

一月、十六日。

六時前のマクドナルド
たわいも無い指先の遊び
傷の治りが遅いと
友人に指摘され本屋へ
私は珍しく眼鏡
雑誌と文庫を手に帰宅

今日も今日のおしまいまで
ディスプレイに向かう日々
繰り返して簡単に、
私の毎日は終わっていく
なにも手に入らないまま
今日は昨日のショーケースへ

そしてまた今日。

爪が伸びてきた。私の手の甲は、まだ水を跳ね返すことが出来る。
そこに残った一筋の引っかき傷をなぞると、ニャァと一鳴きした。
爪を、切らなくちゃいけない。
食欲がないのではなくて、私は食べるということを、
ただ忘れてしまっているだけのようだ。

蜜柑をひとつ。この蜜柑はあまり美味しくないなぁ。



自由詩 ショーケース Copyright エラ 2006-04-14 22:52:38
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