灰色の足跡(⑧)
信天翁

桜前線が卯月の空を渡りきると まもなく
         花吹雪は花筏となって
     西知多の海底に逝くのだろうか
   ひろがる四次元のさだめに竿さして

 混迷の露払い
       暗愁の息使い
             悔恨の咳払い

    猫背と帽子のかげをみつめながら
     わたしは ただ 歩きつづける
   見飽きたモノトナスなアベニューを
             千鳥のように



自由詩 灰色の足跡(⑧) Copyright 信天翁 2006-04-13 15:02:42
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